C.薬物治療(EBM)コース講義要約

C-1.薬物治療文献コース

【第1回】
総論:
 EBMの基本的な考え方、薬剤師型のEBM実践方法、各試験デザイン(メタ解析・無作為化比較試験・コホート研究・ケースコントロール研究)の特徴、PECO(PICO)を用いた情報を的確に収集するための疑問の定式化方法、評価済みの情報源の種類と特徴、文献検索のコツやFilters・MeSH termsなどの機能を用いた効率的な検索方法、実際に文献を入手する方法、および文献情報の基本構造やそのまとめ方を概説する。

【第2回】
無作為化比較試験(RCT):
 RCTの利点・欠点、読むためのステップを理解し、実際に文献を読む。特に、RCTに特徴的な解析方法(ITT, PPS, FAS)や治療効果の相対的指標(RR, OR, HR)・絶対的指標(ARR[I], NNT[H])の理解と求め方、RCTを読む上でキーワードとなる単語の理解、注意すべきポイントを整理し、結果の項では、図表の読み方、有効性・安全性結果の統計的・臨床的解釈に重点を置く。論文内容を把握した後、JAMAユーザーズガイドに基づいて課題論文の批判的にチェックし、課題論文について読者自ら限界点の評価と結論のまとめを行う。

【第3回】
コホート研究:
 コホート研究の利点・欠点、読むためのステップを理解し、実際に文献を読む。特にコホート研究ならではのデータの取り扱い方、よく問題となるバイアス・交絡因子とその対処法、読む上でキーワードとなる単語の理解、注意すべきポイントを整理し、課題論文のポイントのまとめ、JAMAユーザーズガイドに基づく課題論文のチェック、および、課題論文について読者自ら限界点の評価と結論のまとめを行う。

【第4回】
ケース・コントロール研究:
 ケース・コントロール研究の利点・欠点、読むためのステップを理解し、実際に文献を読む。特にケースとコントロールの選び方、データの収集方法、ケース・コントロール研究においてよく問題となるバイアス・交絡因子とその対処法、後ろ向き研究と前向き研究のデータの取り扱い方の違い、読む上でキーワードとなる単語の理解、注意すべきポイントを整理し、課題論文のポイントのまとめ、JAMAユーザーズガイドに基づく課題論文のチェック、および、課題論文について読者自ら限界点の評価と結論のまとめを行う。

【第5回】
メタ解析:
 メタ解析の利点・欠点、読むためのステップを理解し、実際に文献を読む。メタ解析に関する基本知識、データ統合の意義や統合方法、各種データベースなどの情報源、メタ解析の特徴的な結果の見方(フォレストプロット、データの不均一性など)や出版バイアスへの対処(ファンネルプロットなど)、読む上でキーワードとなる単語の理解、注意すべきポイントを整理し、課題論文のポイントのまとめ、JAMAユーザーズガイドに基づく課題論文のチェック、および、課題論文について読者自ら限界点の評価と結論のまとめを行う。

C-2.薬物治療評価コース

【第1回】
 薬物治療の専門家として薬剤師が患者の薬物治療を評価し、患者によりよい医療を提供するための基本的な考え方について学んだ。薬剤師による患者情報のまとめとインタビュー、医学的・薬学的問題点のリストアップ、問題点毎の薬物治療評価(病態評価、薬物治療の必要性評価、最適な薬剤選択、最適な用法用量の設定、必要なモニタリング項目など)、および具体的な治療計画を立案した後に、これらの内容を医療記録として適切に記録するためのポイントも学んだ(SOAP形式を例として)。また、日々の治療経過のモニタリングの前には患者初期評価が重要であり、初期評価が適切に行えるかどうかが治療モニタリングの質に関係することも学んだ。

【第2回】
 合併症のないシンプルな高血圧症例を題材として、ステップ・バイ・ステップの薬物治療評価演習を行った。一見シンプルな症例であっても薬物治療法を専門的な視点から考えるのはときに難しく、自分の考えの基となっている根拠を適切に提示できることがいかに重要であるということを感じとることを主旨とした導入演習。

【第3回】
 尿路感染症例を題材として、ステップ・バイ・ステップの薬物治療評価演習を行った。基本的な薬物治療評価の流れと感染症診療を対比させ、診療科が異なる場合でも薬剤師の基本的な視点は同じであるということを学んだ。

【第4回】
 市中肺炎症例を題材として、ステップ・バイ・ステップの薬物治療評価演習を行った。基本的な薬物治療評価の流れに沿いながらスモールグループに分かれてディスカッションを行った。

【第5回】
 シンプルな高コレステロール血症例を題材として、ステップ・バイ・ステップの薬物治療評価演習を行った。標準的な薬物治療評価の流れを再度おさらいすると共に、評価した内容を医療記録として簡潔に記載するという部分についても具体例(SOAP形式と自由記述形式)で学んだ。


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